普段自分は、気ままな独り暮らしを謳歌しているのですが、こと病気になってしまったときだけは、さすがに事情が変わり、いささか心もとなくなります。
東京に暮らしていたときは、具合が悪くなっても、家から這ってでも行ける距離に病院やらコンビニやらあったので、まだマシだったのですが、今の田舎での車生活は、独り者が病気になると、環境的にはなかなか厳しいものがあります。
しかも自分が移住先に選んだ糸島は、元々自分にとって縁もゆかりもなく、親戚も知人も皆無の土地なので、独り身で病気、という特殊事態に見舞われると、フツフツと緊張感が湧き上がってきます。
ということで、自分の今の暮らしにおいて、健康管理はとりわけ重要なテーマとなっています。
幸い今のところ、パーフェクトではないにしろ、自分はわりかし健康体なのですが、実は長年にわたって、持病のようなものを2つ抱えながら生きています。
それは何かというと、
尿管結石と
群発頭痛です。
尿管結石は、腎臓にできた「石」が、狭い尿管を伝って降りてくるときに激痛を引き起こすというもので、「石」の成分は人それぞれ体質によって異なりますが、自分の場合、回収した石をラボで検査したところ、シュウ酸カルシウム、が主な成分で、バナナやほうれん草などの特定の食品に多く含まれています。
ここ数年は、ほぼ毎年1コのペースで石が「降臨」してきており、1か月程度は痛みに苦しむのですが、一番つらかったのは、一昨年に岐阜の下呂温泉までバイクでツーリングに行った際、道中ずっと石の痛みに苦しめられたことです。
石のサイズや形状次第では、人によってひどい場合は痛みに耐えきれず、救急車で搬送されるケースもあるようですが、尿管結石は「病気」というよりも、体質に起因する一種の「バグ」のようなものかと思います。
で、対応としては、とにかく水分をたくさんとって、尿と共に排泄を促すことが基本で、いったん石が排出されれば、痛みなどの症状はケロッと瞬く間になくなります。
同じように、病気というよりも「バグ」のような類で、長年自分が悩まされてきたもう一つのものが、「群発頭痛」です。
年に1度ぐらいのペースで、数週間にわたり、片方の目の裏側に激痛が生じるというもので (※自分の場合は右目)、片頭痛と違って安静にしても痛みはまったくおさまらず、文字通り痛みでのたうちまわることになります。
1000人に一人ぐらいの割合で発症するらしく、男性の方が圧倒的になりやすいと報告されています、1回あたりの痛みの持続時間は30分から1時間程度で、痛みがないときはまったく何の問題もないのですが、いったん痛みだすと、目玉がえぐられるようなとてつもない激痛に苦しむことになり、薬もまったく効きません。
もし銃が手元にあったら頭を打ち抜きたくなるほどの痛み、ということで「自殺頭痛」という別名もあるほどヤバい症状なのですが、根本的な治療法はなく、自分が会社員をしていた時は、会議中であろうと、クライアントとの会食中であろうと、この群発頭痛が発症すると、仕事どころではなくなり、思考が停止し、片方の目から涙を流しながら、うぉんうぉんうなされていました。
会社を辞めてからも、群発頭痛は相変わらず定期的に発症するのですが、会社勤めから解放されて、個人的にホッとしていることの一つに、この群発頭痛にいつ襲われるかと、ヒヤヒヤ心配する機会が減ったことがあげられます。
一説によると、世界三大激痛と呼ばれるものは
- 尿管結石
- 群発頭痛
- 陣痛
の3つだそうでして、この際 自分としては是非生きているうちに、三冠達成を目指したいと思っております。
いずれにしろ、体に不調を抱えるということは、難儀な話ではありますが、あながち悪いことばかりとも言えません。
「一病息災」
という言葉があります。
一つぐらい具合の悪いところがあった方が、かえって健康に気を付けて長生きできる、といった意味の言葉ですが、人間が生きる上で欠かせない空気の存在を、普段意識して生活していないように、健康が当たり前の状態になっていると、健康への配慮がおざなりになるおそれがあります。
よく神社で「無病息災」を祈願したりしますが、むしろ「一病息災」を良しとし、どこかしら体の不調を抱えている方が、健康を大切にする生活態度が身につくのかもしれません。
自分の場合は、いわば、「二病息災」といったところですが、よりによって2つとも、痛みがエグいのが何ともやりきれないものの、そんな自分が「息災」の実現のために実行している健康法は何かというと、別に大したことはしてなくて、週に3回ジムに行って体を動かすことと、ニュージーランド産のマヌカ・ハニー小さじ一杯を毎晩寝る前にネブッて、免疫力向上と睡眠改善をはかっているぐらいです。
思いますに、人間、どんなに健康に留意しても、病気になるときにはなるもんですし、また 歳を取ると共に いつのまにか、まるで知らないおじさんが自分の身体を乗っ取って住みついたように、体力が落ち、腹回りが増え、健康診断の数値が悪くなることは避けられません。
独り身の自分として気を付けるべきことは、健康管理も当然のことながら、病気にへこたれないメンタルづくりなのかな、と思っています。
かの有名な俳人、尾崎放哉の俳句に
「咳をしても一人」
というのがあります。
冷たい部屋にポツンと自分一人だけ、風邪で寝込んで咳をしても、その音がむなしく壁に反響するだけで、いたわりの声をかけてくれる人は誰もいない、と、いった孤独なシチュエーションを表現しているものですが、現実問題として、日本人の単身世帯数は年々拡大しており、とりわけ最近の国勢調査によると、日本人男性の生涯未婚率は、28.25%に達しているとのことで、配偶者との別離のケースなどもこれに合わせれば、日本人成人男性のざっくり3人に一人ぐらいは、「咳をしても一人」と詠んだ、尾崎放哉状態をリアルに経験することが想定されます。
これからの時代 大切なことは、尾崎放哉的状況下に置かれたとしても、人生に悲観することなく、したたかに己の身体の不調に立ち向かうような折れない心を持つことでは
あるまいかと思う訳です。
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